R7,5/14-16民生文教常任委員会行政視察の報告レポート
- 林登
- 5月25日
- 読了時間: 5分
昨年9月より民生分教常任委員会委員長に就任し、例年実施している5月の行政視察となり、今回は岡山県の総社市、奈義町、岡山市の3つの自治体へ行政視察に行きました。
委員会7名、当局1名(こども家庭課長)、随行1名(事務局職員)の合計9名で行ってきました。簡単ですが、レポートを掲載しておきます。ご覧ください。
岡山県総社市
・ひきこもり支援事業について
まず、ひきこもり支援をするという意思決定が素晴らしい。他の市町村ではほとんどやっておらず、国の法律などの法的根拠も薄い中で、よくやっているなぁというのが第一印象である。
総社市は、平成29年にひきこもり支援センター「ワンタッチ」を設置し、個別相談、ひきこもりサポーターの養成、家族や当事者の居場所の設置・運営、ひきこもり家族の支援等を実施している。具体的には、平成30年2月に「ほっとタッチ」という施設を開業しており、ひきこもりの居場所づくりをおこなっている。他自治体では、ひきこもりの支援は様々な法制度の間で支援を受けられないケースが多くありそうであるが、窓口を設けて支援を行なっている点は素晴らしい。
親が悩んで相談するケースも多いが、同じ悩みを持つ家族間の交流も行われており、多角的にアプローチを行なっている点も大変参考になる。
小矢部市の場合は、まずひきこもりの実態調査を行いながら、支援の方法を模索することが必要なのだろうと思う反面、明確なひきこもりの本人や家族からの支援を望む声は聞いておらず、支援の必要性も検討が必要だと考える。いずれにしても、機会を捉え、実態を掴むことが必要不可欠だろう。

奈義町
・在宅育児支援手当、なぎチャイルドホーム等の各種子育て支援施策について
奈義町では少子化や人口減に歯止めをかけるため、「なぎチャイルドホーム」の運営をはじめさまざまな施策を実施してきた。具体的には、
・乳幼児・児童生徒の医療費無償化
・法定外ワクチン接種補助
・出産祝金一律10万円交付
・特定不妊治療を受けた夫婦への一部費用助成
・月額1万5,000円の在宅育児支援
・こども園・小学校・中学校の給食費無償化
・小中学校の教育教材費の無償化
・高校生への就学支援として年額24万円を3年間支給 などである。
ただ、産後ケアなどは制度がないので、小矢部市の方が進んでいる部分もある。
具体的にどの政策が出生率の向上に寄与したのか?という質問を事前に投げておいたのだが、担当者からは「特にこれ!というのはわからない」という回答であった。様々な要因がたまたまハマったという印象であった。
ただ、大変興味深い点は「なぎチャイルドホーム」の運営には、お母さんがスタッフになったり、企画側に回ったり、中でハンドメイドの作品を販売してみたり、、、小矢部市ではこれ絶対できませんよね?と佐伯課長に聞いたら、ですね。。。という回答をもらうような自由かつ現場の裁量で様々な工夫がされており、結果的にお母さんたちが子育てしやすい環境づくりにつながっているのだと感じた。
お仕事コンビニの事業も印象的である。こどもが熱を出して保育園を休む、その度に仕事を休むようでは働けない。また子どもの世話をしながらちょっとだけ働きたいというニーズに応えるお仕事コンビニは、お母さんたちのコミュニティを形成する場にもなっているという。
小矢部市においてもお母さんたちが主人公になる仕組みという雰囲気があれば良いのに、と考える。出生率の向上は、母数が女性全体になるため難しいが、こどもの数は増えるかもしれない。何か特質するものがあるようでなかったことを考えると、ちょっとした事業?支援?で変わることもあるのだろうと思う。大それた施策は必要ないのかもしれない。ちょっとお母さんたちの気持ちに寄り添ってみることかもしれないと思わされました。

岡山県岡山市
・岡山型持続可能な社会経済モデル構築総合特区(AAAシティおかやま)について
岡山市は特区として高齢者介護事業の中で様々に国からの規制緩和により事業展開を行っている。特徴的であったのは、全国展開すべき規制緩和や事業は厚生労働省に対して積極的に提案し、全国に波及させることを目指している点である。
高齢者活躍推進事業として、意欲と能力のある要介護高齢者が、通所介護事業所の介護保険サービスを通じて、就労的社会参加活動「ハタラク」を行っている。非常に興味深い活動であった。介護事業所は、介護度が高いほど単価が高くなるために、要介護度の改善するためのインセンティブがなく、中々要介護度が改善する事例は少ないし、意識が中々向かない。そもそも高齢者の認知機能や身体機能は現状維持が目標になりがちである。しかし、岡山市ではモデル事業所を選定し、挑戦をしている。事業所が仕事を探してきて、できるやる気のあるデイサービス利用者にやってもらっている。何か社会に役割があるという感覚が、生きがいになっているという。スーパーの草むしりをする仕事をもらい近所のデイサービスから通う仕組み。謝礼もあるが、認知症のためそのスーパーで買って帰る。しかし、本人は私にも役割があって嬉しいと楽しくやっているという。まだまだ、モデル事業であるが、何かのヒントが詰まっていた気がした。時代が変わり、家族も忙しく、介護事業者に介護を任せっきりになったり、危険を回避するために家族が外出を制限するなど、被介護者は社会との関係が断たれる傾向にある。それでは、心も元気にならないだろう。ただ、生きているだけである。これは、総社市でのひきこもりもそうだし、奈義町のお母さんもそう。ただ生きているだけで、毎日何か、消化不良な人生になってしまう気がする。そこに何か一つのきっかけを与えてあげることで、社会との接点を見出したり、人と話をすることができる。生きる喜びはそういうところで感じるのではないか、そうの生きる喜びを感じられない人が増えているのではないかと考えさせられた。小矢部市においてもその観点が今後重要になると考える。しっかりこの視察を参考に小矢部市の行政課題について見識を深めたいと思います。

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