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執筆者の写真林登

令和6年5月総務産業建設常任委員会 行政視察報告

総務産業建設常任委員会 行政視察報告

期間:令和6年5月8日(水)~10日(金)

場所:熊本県宇土市、益城町、阿蘇市、熊本製粉㈱


この度の常任委員会の視察では、地震の影響により本市の庁舎建て替え問題が発生したため、熊本地震により被災した庁舎を建て替えた宇土市と益城町を中心に、行政視察を実施した。


熊本県宇土市

・新庁舎の整備について(震災に関連した事項も含めて)



宇土市では、4つの基本理念をしっかり持って庁舎整備を進めてきた点が特徴的でした。(益城町では、基本理念などがあまり感じられなかった。)

市民の安心・安全の観点では、免震構造としたことで、災害時の事業継続を可能としている。

利用しやすく親しみを感じる庁舎の観点では、市民窓口を1階に集約したこと、1階をうと小路と名付けて、市民の交流スペースにしたことが特徴的でした。職員の福利厚生として、職員休憩室を設けており、窓口の職員が自席で昼食を取ることがないようにしていました。庁舎の形は長方形で無駄のないつくりをしていました。会議室も多く設け、プライバシーを確保した打合せスペースもありました。トイレは1階と2階に2箇所、3階以上は1箇所ずつでした。エレベーターは1つであり、なるべく無駄なものはつくらないという考えが伝わってきました。

 うと小路というスペースが吹き抜け2階まで明るく雰囲気も良い印象を受けました。

 財源は、本市が想定しているものと同じ、一般単独災害復旧事業債を交付率85.5%で活用できているということでした。対象外の部分は、庁舎建設等基金から6億円程度を充てているとのこと。災害前になかった機器等は事業債の対象外になるとのことで、多少の本市の負担額は必要になりそうである。

 議場スペースも必要以上に、委員会室などはなく、最低限のスペースにしてあるという印象を受けました。シンプルな構造でありながら、1階部分の工夫を凝らした庁舎といったカタチで大変参考になりました。


熊本県益城町

・平成28年熊本地震からの復旧・復興に向けた取組みと新庁舎整備について



益城町では、免震構造についてよく説明を頂いた。耐震構造では、建物が倒壊しないだけで、揺れるために執務スペースで業務を継続できないという問題がある。免震構造にすれば、庁舎で業務を継続できるということは大きな違いであると実感しました。

また、災害時の対応力向上として、非常用発電機など十分すぎるくらいの設備を有していたことは特徴的ある。庁舎レイアウトとしては、各階にトイレが2箇所ずつ、エレベーターが2機あったことが過剰でないかと気になった。また、職員と来庁者のスペースがしっかりとカードなどのセキュリティで仕切られていた。更衣室は男女別で設けたが3階に設置したところ、職員の利用率が低いという話をされており、なんでもあれば良いわけでなく、使いやすい場所に配置してあげないと職員の福利厚生の向上にもつながらないと感じた。会議室が少ないことが課題として挙げられており、宇土市よりも大きい庁舎にしては会議室が少ないのだと感じた。宇土市でも会議室が取り合いで稼働率が高いと話をされていた。

 3階に展望ロビー4階に展望テラスを設け、土日も市民が入れるようになっているという。宇土市が1階部分に設けたような市民の交流スペースなのだが、あまり意味がないスペースになっていないかと疑念を抱く。庁舎の外のスペースには、市民が交流できる芝生スペースや別の建物があり、そこで機能が十分に確保されているように感じる。益城町も執務スペースが少々手狭な話も言っていたので、無駄なスペースを省き、執務スペースをしっかり取ることを考えるべきでないかと感じたい。



熊本県阿蘇市

・観光施策と道の駅の取組みについて



観光施策として、地域資源や地域の人材をフルに活用していることが特徴的であった。大変申し訳ないが、本市で同様な取り組みをすると、地域によっては受け入れられなかったり、地域の中では反対意見を言う方が出そうだなと、簡単にまとめられないなぁと感じる。だからこそ、それをまとめて動かした阿蘇市職員の方はすごいと感動した。その取り組みは阿蘇市全体を博物館として捉えたASO田園空間博物館という取り組みである。

 道の駅は、特産品の展示販売という位置付けにして、阿蘇市産の産品にこだわって販売している。また、オリジナル商品をあえて目立つようにディスプレイして販売力を高めているそうである。さらに、特徴的なのは、指定管理料が0円な上、逆に阿蘇市へ支払いをしているという。本市の道の駅は1千万円を払って運営してもらっているのに、阿蘇市では1千万円をもらって運営してもらっている。真逆のことが行われている。それだけ売上があり、お金が回っているという。

 実際に、道の駅に伺ってみるとソフトクリームに大勢の行列があった。人気の道の駅である。また、整備には国の補助をうまく活用して、駐車場整備などに取り組んでいた。

 何よりも阿蘇市の考え方がよくわかった部分では、通常であれば視察は市役所の庁舎でさせて頂くものだが、阿蘇市さんは市役所が道の駅より遠くなるからと、わざわざ道の駅近くのホテルを会場にして頂けたこと。相手のことを思いやって、対応をされていることがよくわかった。これは、普段の業務の中でも、観光客や市民のことを考えて、最善を尽くそうとする阿蘇市職員の心意気である。こういう部分が大事である。人は人にしかついてこないというが、このような職員の方がいるから、市民も協力しているのだと思った。小矢部市よ、頑張ろう!!



熊本製粉㈱ 

・米粉事業の概要について



熊本製粉さんでは、米粉の粉砕の手法をオリジナルに開発し、米粉でも美味しいパンが作れるという。ただ、米粉の製粉技術は熊本製粉の企業の武器にされて、他者との競争材料になり、他社へ技術供与がなされる雰囲気はなかった。熊本製粉の米粉がうまいと言われても、小矢部の米を持ち込むと運搬距離から利益性が難しそうな顔をされた。小矢部市の米農家の助けには中々つながらなそうであった。また、米粉の生産量などは企業機密であり、情報量が乏しかった。

 熊本県など行政と連携して取り組みをおこなっている様子はわかったが、あくまで九州内での話が主であった。本市の米農家の支援につながるような取り組みにする場合は、いなば農協や他の元気な民間企業が主になり取り組みを進めない限り、小矢部市における米粉の生産などにはつながらないと感じた。


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